稲田 有史    いなだ ゆうじ

医学博士 稲田病院 院長
京都大学再生医科学研究所臓器再建応用分野非常勤講師
奈良県立医科大学 整形外科 麻酔科 耳鼻咽喉科
救急医学高度救命センター非常勤講師
資 格/日本手の外科評議員
社団法人日本整形外科学会認定 整形外科専門医

謹啓
  寒さ厳しき折、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて 実父、稲田病院病院長稲田道夫儀 去る平成15年12月28日急逝いたしましたため、私、稲田有史が急遽奈良県立医科大学高度救命救急センター講師を辞任して、稲田病院院長を引き継ぐことになりましたので、これまで長年にわたりご指導とご支援を賜りました皆様に一言ご挨拶申し上げます。
  私は、昭和59年に奈良県立医科大学増原建二教授の整形外科学教室に入局させていただきまして、国立奈良病院整形外科では立松昌隆先生はじめ多くの先生方に整形外科の手ほどきを受け、大三輪病院整形外科では福居顕宏先生のご指導でMicrosurgery・手の外科を学ばせていただきました。平成元年から奈良医大整形外科へもどり、玉井 進教授のもとでMicrosurgery・手の外科の研鑽を積み、整形外科専門医認定証と学位記を授与されたのち、平成3年6月にNew York のコーネル大学付属 the Hospital for Special Surgery(HSS)のDr. Andrew Weilandのもとに留学させていただく機会を得ました。平成4年10月に帰国と同時に奈良医大救命センターに配属され、主に緊急整形外科外傷の臨床に従事させていだだきました。救急医学教室宮本誠司教授ご指導のもとで救急認定医の資格を取得し、平成7年から同教室講師を拝命し、研修医や学生の教育に当たることができました。その傍ら、救急整形外科外傷シンポジウム発起人、G8九州沖縄サミットデイゴ作戦整形外科専門チーム代表など多くの光栄ある役職を務めさせていただきました。平成15年からは京都大学再生医科学研究所臓器再建応用分野非常勤講師を拝命して、同分野の清水慶彦教授ならびに中村達雄助教授とともに、再生医療の一端をになわせていただき、主に人工神経の開発、臨床応用に参加させていただいて現在に至っております。2003年からはAO EAST ASIAのsoft tissue management のmembertとして活動させていただいております。
  さてこの度、退職に際しましては、京都大学再生医科学研究所臓器再建応用分野の清水慶彦教授、中村達雄助教授、奈良県立医科大学整形外科高倉義典教授、麻酔科古家仁教授、耳鼻咽喉科細井裕司教授、救急科奥地一夫教授先生方のご理解とご厚情をいただきまして、奈良医大の四教室に加えて京大再生医科学研究所臓器再建応用分野から非常勤講師を拝命し、今後も引き続いてPolyglicolic acid – collagen tube (人工神経誘導チュウブ)の基礎実験と臨床応用を継続させていただけることになりましたことは感謝に堪えません。稲田病院での再生医療の実施は、もちろんのこと奈良医大耳鼻咽喉科では、鼓索神経、顔面神経再建を、麻酔科ペインクリニックでは、CRPS(complex regional pain syndrome type II:causalgia)の治療を、京都大学再生医科学研究所では引き続き基礎実験を行っております。最近、人工神経誘導チュ-ブが末梢神経欠損に対してのみならず、神経因性疼痛に効果があることが判明してまいりまして、麻酔科古家仁教授の御配慮で、奈良医大麻酔科ペインクリニックにて、隔週木曜日の午前中にカウザルギー専門外来を開設させていただくことになりました。すでに症例を選んでの、麻酔科手術枠をいただきまして奈良医大での手術も開始されております。すでに、これらの結果は、Neurosurgeryに論文採用され(2004年9月)、Neurosurgeryの表紙を飾り( http://www.neurosurgery-online.com)、PGA-C tubeの世界初の臨床成功例として皆様に御紹介できると存じます。また、自家神経移植例との比較実験も行い、Brain Researchへ採用されました。
  本年度、多くの学会、諸大学へ講演者として招聘されておりますことは私ならびに京都大学再生医科学研究所臓器再建応用分野にとりましては身に余る光栄と存じますが、この度の私の突然の大学講師の辞任で学会関係者の皆様には多大の御迷惑ならびに御心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
  本来ならば、直接参上してご挨拶を申し上げるべきところでございますが、いまだ病院長職引き継ぎの雑務に追われておりますので、略儀ながら書面をもちまして御挨拶とさせていただきます。
  稲田病院での診療についてですが、今後はできるだけ手の外科と末梢神経外科、整形外科を中心にして参りたいと考えております。内科外来は、当面専門医が隔日で午前診を担当いたします。整形外科は私が担当いたします月・火曜日の午前(9:00am-12:00am)と午後の外来診察(5:00pm-7:30pm)、土曜日の予約診察以外(9:00am-12:00am)に、月曜日 午前診 上松医師(奈良医大膝グループ)水曜日(面川庄平医師、日本手の外科評議員、ASSH Caplan award受賞者、2004年JSSH-ASSH traveling fellow)、木曜日(鶴薗雅史医師,奈良医大膝グループ)、金曜日(川西弘一医師、奈良医大手の外科、マイクロサージャリー、元奈良県立医科大学高度救命救急センター講師)にそれぞれ午前と午後の診察がございます。手術は随時沢山の御紹介を頂き、精力的に行っております。もちろん、これまでどうり緊急外傷にも対応するべくできる限りの努力を惜しまない所存でございます。適応症例ございましたら、ご一報いただければ幸いでございます。
  末筆ながら、先生の益々のご健勝と御発展をこころからお祈り申し上げます。             冠省

 ◆学 歴      1977年 3月  奈良県立奈良高等学校  卒業
                  1983年 3月  久留米大学医学部  卒業
 ◆主な職歴  1983年 5月  奈良県立医科大学(整形外科学)
                  1991年 5月  整形外科専門医取得  博士号取得
                  1991年 7月  コーネル大学医学部付属The Hospital for Special Surger, NewYork,留学
                  1995年 7月  奈良県立医科大学緊急医学教室  講師
                  2000年 7月  G8九州沖縄サミット  デイゴ作戦(国家救急医療作戦)
                                      整形外科専門医チーム代表に選出
                                      (ex.心臓外科医としては現国立循環器病センター総長、北村総一郎氏らが選出)
                  2003年 4月  京都大学再生医科学研究所臓器再建応用分野  非常勤講師
                  2004年 1月  稲田病院開設  病院長
                                      奈良県立医科大学  整形外科、麻酔科、耳鼻咽喉科
                                      高度救命救急センター非常勤講師
                  2004年        AO East Asia,soft tissue coverage member